鹿児島県から見る雇用状況

最近の社会状況として

現在の社会状況、良いと捉える人もいれば悪いと捉える人もいるでしょう。それはそれで仕方がないことだとしてもだ、やはり都市部と地方での格差が縮まらないのは大問題だ。日本のように典型的な一極集中型社会では、地方財政が緊縮してその対応を国が行わない傾向がとても出てきてしまう。この国ほどテンプレと言っても良いような、そんな状況にヤキモキしているのは他でもない地方在住の方々だろう。例えその地方では有数の企業に就職していても、この不安定な時代では終身雇用制度などというものが通用しない時代になってきているため、いつ職を失ってもおかしくない状況だ。安心・安全・平穏を求める人が大多数を占めている中で、この世界は本当に幸せなのかと改めて疑問が出てくる。

だがかといって単純に一面しか見ないまま物事を判断するほど怖いものもないでしょう。今の時代、インターネットなどを活用して様々な発言の場が与えられている、今でいうと保育園問題だ。先日こちらの話題を取り上げた時にも思ったが、匿名社会の中で発生する影響が現実を侵食するにも時間の問題だと思った。ただ仮想現実がリアルで重要視される時代ではまだない、いつかはそうなる日も来るかもしれませんが、当分先のことでしょう。

そうなった際、少しは東京都などの関東圏や地方各地との差は少しは縮まっているのだろうか。そこが一番気になるところでもある。1つ前置きとして言っておくと、都心部に来れば必ず働き口があるとは限らない、その点も了承しておかないといけない。東京だから働く先は沢山ある、などと考える方が古いと言わざるをえない時代なのです。しかしそうした状況も関東圏から少し離れた県などに比べればマシといわれてしまうのだから皮肉な話だ。

ではもし、ここから1,300km以上離れている『鹿児島』ともなったらどんな状況なのか。見比べて都心と地方、どちらがマシなのか、そうした現実的な部分まで考えてみる。

鹿児島県の状況

鹿児島県といえば本州において最南端に位置している日本の都道府県の1つだ。何があるのかと言われれば、桜島くらいしか印象がないと応える人も多い。その他に多いのがサツマイモや種子島といった、鹿児島県内の有名な観光名所はあまり取り上げられていません。要するに、なんとも印象の薄い街というレッテルが貼られてしまっているのだ。そうした事実を県民が意外と肯定しているので、観光をしに来た人にすれば対応に困るのも恒例行事だ。

ではそんな鹿児島県で暮らしている人たち、その就職に関する情報を少しまとめてみることにする。まず最初に見ていきたいのが、『時給』に関する問題だ。

鹿児島県の時給

現在の鹿児島県、圏内における最低時給は平成27年10月8日付けで『694円』となっている。この数字だけで言いたいことがある人もいるでしょうが、これでも前年度と比べれば17円ほど上がってはいるのです。そして言うまでもなく学生ではなく、成人した人々に与えられる賃金の最低限度額となっているので、これ以上低くなることはない。つまりだ、どんなに少なく見積もっても最低700円スタートからとしている企業が多いはず。下手に最低賃金の値段に合わせるよりは計算がやりやすい端数がない数字にあわせた方がやりやすいのは、経理的に見ても十二分だ。

この値段、東京や神奈川と比べると恐ろしいほどに低いというのは言うまでもない。首都圏と地方圏、その溝を考えれば正当な値段と見る人もいるでしょうが、もう少し欲しいと考えている人も多いと思います。最低賃金だけなら全国で一番ではないものの、下位争いをしているのも言うまでもない。

今日までに最低賃金はかなり上がってきている、鹿児島県だけ上げても17円、その他の地域でも同様に上昇しているので傾向的に見れば以前よりかは働きやすくなっているようだ。それでもそのほかの地域と比べると低いと感じてしまうのも、無理ない話かもしれません。では鹿児島県を含めた全国の代表的な地域の最低賃金を照らしてみるとしよう。

最低賃金 前年度比
北海道 764 +16
青森 695 +16
福島 705 +16
栃木 751 +18
東京 907 +17
神奈川 905 +18
愛知 820 +20
京都 807 +18
大阪 858 +20
広島 769 +19
福岡 743 +16
宮崎 693 +16
鹿児島 694 +17
沖縄 693 +16

大まかに取り上げてみましたが、鹿児島県よりも低いところとして沖縄県と宮崎県がある。前者は島国という点を含めるとしょうがない部分もありますが、後者についてはまだ本州に位置している県と考えてもかなり低いのだと思い知らされます。高校生でもここまで安い時給で働かされている人もいないでしょう、筆者も高校時代にしていたアルバイトは時給800円だった事を考えると、学生の分際でこんなに良いほうが珍しかったのかもしれません。

これはあくまで東京都心を基準にした考えになっている、鹿児島県内に在住の人は最低賃金よりも上まった中でなんとか生活を切り盛りしていけるように努力をしていく必要がある。そうしたことまで含めて考えると、地方の状況が厳しいという現実を改めて思い知らされます。

1,000円案

こうした状況の中、都市部と地方の格差をなんとか縮めようとして昨年11月、最低賃金を全国平均で1,000円になるよう対策を考えているという声明が出されました。言ったのは他でもない内閣総理大臣だ、その発言の意図としては、こうした状況下で少しでも安定した収入確保が出来るようにという意図が込められている。それをするなら正社員の雇用を増やすべきだという意見もあったそうですが、この対策についてどんな意見が出ているのか。

実は賛否両論、というよりは意外と否定的な意見も多く見られる。中でも注目したいのは、『賃金に応じた責任や仕事結果が求められそう』といったことを述べている人がいるのだ。賃金が増える事を望んでいる、それはすなわち今よりも一歩進んだ業務ができる事を込めて、という意味合いが強くなっている。

ただ増えれば良いという漠然とした思いでは上がる物も上がりません、上がるためにはそれなりに必要な努力が求められる。それが出来なければ賃金など上がることは不可能なのです。ですが鹿児島県を始めとした地方では、頑張ったところで上がらないから意味ない、なんて声も聞こえてくる。それはそれで由々しき問題だ。

蔓延する問題

東京都心でも今は仕事を探すのがすごく難しいと言われる時代、なんでも良いといいながらも何でもと探しても見つからなくなっている。いつからこんなふうに変質したのだろう、そう思うばかりだ。地方の問題もそうだが、もしかしたら都市部でも地方とよく似た問題が起こっていると分析できるかもしれません。良い人材がいない、人出が足りない、などという問題は地方を飛び越えて全国各地に影響をもたらしている、そう分析することも出来るはずだ。